センサーの個数や配置、スクリーンの大きさ・解像度、ショートゲームエリアの仕組みなど、
従来のゴルフでは考えられなかったハイテク装備を中心に解説していきます。
実際に開幕してみないと分からない部分も多いですが、現時点で公表・噂されている
情報やテクノロジーの一般的な水準を踏まえて、TGLの全貌に迫ります。
目次
1. 巨大スクリーンの規模・仕様
1-1. スクリーンの大きさと解像度
TGLでは、フルスイング(ドライバーやアイアンショット)を「巨大スクリーン」に向かって打ち込むことで屋外コースをバーチャル再現する方式が採用されます。
- スクリーンの大きさ:
- 推定で横幅15〜20メートル、縦5〜8メートル程度(約50〜65フィート × 16〜26フィート)。
- 屋内競技のバスケットコートやホッケーリンク並みの横幅を持つ、ド迫力のLEDスクリーンを設置するとの見方があります。
- 解像度:
- 最新のスポーツアリーナ向けLED技術をベースに、4K相当以上の高解像度を想定。
- 選手が打ち出したボールの軌道や着弾地点をクリアに映し出すため、視認性と遅延の少なさが最重要視されます。
- インタラクティブ表示:
- ボールの弾道や落下地点、選手ごとのショットデータ、統計情報などを同時オーバーレイ。
- 観客や解説者が一目で状況を把握し、より戦略的な観戦ができるよう配慮されています。
2. ショートゲームエリアの構造
2-1. リアル芝・バンカーのハイブリッド空間
フルスイングはスクリーンに向けて行う一方で、パッティングやアプローチ、バンカーショットなどのショートゲームは実際の芝や砂を用いた専用エリアで行われるのがTGLの大きな特徴です。
- 芝・砂の選定:
- 天然芝か最新人工芝かは明言されていませんが、少なくともパッティンググリーンは極力本物に近い転がりを再現できるよう、密度の高い芝を採用する見込み。
- バンカーエリアには防音・防塵対策として特殊な壁面素材や吸音材を使い、周囲への砂飛散を最小限に抑える工夫がなされるとみられています。
- 可動式の傾斜機能:
- 油圧リフトやモジュール式床を採用し、エリア全体の傾斜や芝丈を可変化させるシステムが検討されているとの報道も。
- スクリーン側で「つま先上がり」「左足下がり」などの状況が判定されると、それに応じてショートゲームエリアの床が数度傾いて再現される、という未来的なギミックが期待されています。
2-2. ショートゲームとスクリーンの連動
- バーチャル⇔リアルのシームレスな切り替え:
- フルスイング後にバーチャル上で「残り30ヤード・右足下がりのラフ」と判定されたら、ショートゲームエリアのラフゾーンへ移動、そこでリアルなボールと芝を使いアプローチを実行します。
- “自分のショットが導いた結果”をリアルタイムで物理空間に移行させることで、屋内ながらも本物さながらのコース攻略感を得られます。
3. センサーとトラッキング技術
3-1. センサーの個数と配置
TGLの生命線とも言えるのが、弾道計測・スイング解析用のセンサー群です。2023年時点でのゴルフ用シミュレーターやトッププロの練習環境を参考にすると、TGLのシステムでは10~20個以上の各種センサー・高速カメラが設置されると推測されています。
- 弾道計測用レーダー/カメラ:
- 1〜2セットではなく、複数の角度から重複計測するのがTGL流。精度と信頼性を高めるため、レーダー式計測器が2〜4基、加えて高速カメラ式(1秒あたり数千フレーム)の装置が4〜8基程度配置されると考えられます。
- ショット直後のボールを多角的に捕捉し、速度・スピン・打ち出し角・ヘッドの軌道などをリアルタイムで算出。スクリーンへ0.1秒以下の遅延で反映するため、大規模かつ高精度なトラッキングが必要不可欠です。
- 選手の身体動作キャプチャ:
- スイング解析や解説に用いられるモーションキャプチャ用カメラが、アリーナ天井やサイドに少なくとも8基以上設置されるという見方があります。
- 選手には特別なセンサーやウェアラブル機器を装着する場合もあり、リアルタイムで“肘の角度”“腰の回転スピード”などを可視化。視聴者は「どこがミスの原因だったのか」を瞬時に把握できるでしょう。
3-2. データ解析と反映
- 弾道描画エンジン:
- センサーから取得した数値を3Dエンジンで即座に描画し、スクリーンに「リアルなボールの弾道」を表示。
- コース映像と合成することで、仮想のフェアウェイ上をボールが転がっていく様子を臨場感たっぷりに再現します。
- ショートゲーム判定:
- スクリーン上でボールがグリーン周りに止まったら、そのライ情報(ラフなのかフェアウェイなのか、バンカーなのか)をセンサー情報と連動して即時判定。
- 選手が移動するショートゲームエリアでは、カメラや床面センサーでボール位置と選手の動きを追跡し、最終的な打球データを再びバーチャルにフィードバックします。
4. 試合演出と観客体験への応用
4-1. ダイナミックな演出
スクリーンの大きさやセンサー技術は、純粋にゴルフの競技性を高めるだけでなく、エンターテインメントとしての演出にも活用されます。
- スクリーン・照明の連携:
- 選手が打った瞬間に会場の照明を落とし、弾道だけが浮かび上がるような演出。
- 成功ショットや勝負所では映像や音響が一斉に盛り上がり、観客がライブ会場さながらの高揚感を味わえるでしょう。
- 視覚的データ表示:
- ショット結果、選手のスイング角度、心拍数などがオーバーレイ表示され、“身体データ×パフォーマンス”のライブ体験を演出。
4-2. 観客参加型の仕掛け
- マルチアングル配信・投票機能:
- オンライン視聴者向けには、選手の背後、インパクト付近、上空など複数のカメラ映像を切り替えながら視聴可能なシステムを導入。
- 「攻めるか守るか」「クラブ選択」などをファン投票で決められるイベント性が組み込まれる可能性もあり、従来のゴルフにはない「ゲーム感覚」の盛り上がりが期待されます。
まとめ
- 巨大スクリーン は横幅15〜20m級、4K相当以上の解像度を想定し、驚異的な迫力と高い可視性を実現。
- ショートゲームエリア では実際の芝・砂を用い、油圧リフトで傾斜を変えるなど、徹底的にリアリティを追求。
- センサーの個数 は推定10〜20個以上のレーダー・高速カメラ・モーションキャプチャを複合的に使い、打球やスイングを精密追跡。
- 試合演出 ではダイナミックな照明・音響とデータ可視化が組み合わさり、ゴルフ観戦を“ライブエンターテインメント”へと変貌させる。
これまで「天候や広大な自然の地形を活かす」のがゴルフの醍醐味とも言われてきましたが、
TGLは最新テクノロジーとショーアップされた演出を取り入れ、
“短時間・高密度・データドリブン”な新しいゴルフ体験を提供しようとしています。
2025年の開幕まで、どのような追加情報が出てくるのか、
そして実際の試合がどれほどの完成度を見せるのか、
ゴルフファンだけでなくスポーツ界全体が期待を寄せているのは間違いありません。